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麗子像 [日記]

小学生の頃、記念切手を集めていました。
値上がりを期待する大人たちがいたのが、ブームの一因だったのだと思いますが、当時は、記念切手発売日になると、朝早くから郵便局に列ができていて、僕も必至で早起きして近くの郵便局へ向かったものです。

そんな中でも毎年4月に発売される「切手趣味週間」の記念切手は人気で、日本画、浮世絵などの人気作品が毎年切手になっていました。そしてこのシリーズ切手は僕にとっては、なじみの無かった日本美術との初めての接点でした。北斎、師宣、広重、歌麿、写楽、春信、上村松園、藤島武二、黒田清輝、土田麦僊…。

そして1973年の岸田劉生の「住吉詣」は、子供心にインパクトのある絵でした。正直言って、この絵の何が良いのかわからなかったから… どちらかというと、少し不気味な感じがするので、「嫌いな」切手の一つになっていました。

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そんな岸田劉生との出会いでしたが、生誕120周年の特別展が大阪で開かれているとのことで、大阪市立美術館まで行ってきました。
天王寺に来るたびに、どんどん新しいビルがオープンしていてびっくりします。阿倍野「ハルカス」もだいぶ背が高くなってきました。昨日(11/18)には計画の半分の150mの高さに到達したとか…

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大阪市立美術館。ここのロビーも落ち着いた雰囲気で好きな空間です。

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「17歳で黒田清輝が主宰する白馬会洋画研究所に学び、2年後には第4回文部省美術展覧会に入選するなど早くから才能の片鱗(へんりん)を 見せた劉生は、雑誌「白樺」を通して知遇を得た武者小路実篤など白樺同人との交流から「第二の誕生」を自覚、後期印象派の洗礼を受けながらも一転して、描 くべき対象の内面にまで分け入るような精妙で神秘的にさえ見える写実を求め、「内なる美」の探究という他者の追随を許さない前人未到の困難な課題へと向か います。さらには、宋元絵画や初期肉筆浮世絵、また南画などの東洋画への関心は、「でろり」という劉生独特の美意識に結実しました。」(岸田劉生展ホームページより)

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「外套着たる自画像」(1912年)

後期印象派の影響というか、誰がみてもゴッホの"影響"を受けたことはわかります。赤と緑の対比はまさにゴッホの色彩ですね…

 

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「自画像」(1913年)

こお展示会に自画像だけで10点以上ありました。自画像を描くのが好きだったのでしょうか。どれも同じ角度で描かれているので、お気に入りの角度だったのでしょうね。それと自画像とともに肖像画もたくさん。なんでも彼は新たに知人ができると、モデルになってくれとすぐに頼みこんで肖像画を書いていたようで、周囲はそれを「岸田の首狩り」と呼んでいたそうです。

道路と土手と塀.jpg
「道路と土手と塀」(1915年) 重要文化財

大正5年頃の渋谷区代々木四丁目の風景だとか。こうして画像にすると平凡ですが、塀も土手も赤土の道も、それぞれが力を持っていて、少し驚きました。実物を見るとやっぱり違いますね…

1917年(大正6年)結核を疑われた劉生は、肖像画のモデルにもなっている友人武者小路実篤の住んでいた神奈川県藤沢町鵠沼の貸別荘に転地療養の目的で引っ越します。麗子像はこの鵠沼の地で描き始められたようです。

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「麗子像」1921年 重要文化財

子供の頃は、どこか気持ち悪かった「麗子像」も、今みるとわが子への愛情にあふれたタッチがわかります。それにしてもたくさん「麗子像」が描かれています。パンフレットには「麗子いっぱい。」とキャッチコピーがありましたが、まさにその通りでした^^。

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「村娘之図」(1919年)

でも、鵠沼の少女を描いたという、こっちの絵の方が、やっぱりわかりやすい。麗子像を描くときの彼の心象はどんなものだったのでしょうね…


絶筆とされる「銀屏風」も展示されていましたが、酒宴の席で余興で描いたような絵。理由はわかりませんが荒れた生活が思い浮かんでしまいます。不摂生がたたったのか、岸田劉生は1929年に38歳の若さで亡くなられています。夭折とまではいかないまでも、短い輝きの時間を残して無くなられた芸術家の一人ということになるのでしょう。

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帰りはいつもどおり新世界を抜けて帰りました。相変わらず串カツ店が隆盛です。
お腹も空いてなかったので、この日は何も買わずに、まっすぐ京都に帰りました。
でもこれから寒くなると、「てっちり」が食べたくなるかもって、看板を見て思ってしまいました^^;


岸田劉生展.jpg
平成23年(2011)9月17日(土)~11月23日(水・祝)  (休館:月曜日)

 

 


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コメント 11

ラブ

麗子像って最初に見た時、気持ち悪いなぁと思いましたが、
それだけに強烈な印象が残っていて、他の作品も見たい…と
思います。
市立美術館って、天王寺にあるんですね。行ったことないなぁ。

by ラブ (2011-11-19 10:08) 

ararat

「切手趣味週間」ありましたね.子供うけは,しかなったと思うけど.
まだまだ美術館に行けるほど大人になれない自分です.
新世界の賑わいは,一度体験したいです.
by ararat (2011-11-19 14:54) 

ソニックマイヅル

久しぶりに串かつ行きたくなりました。^^;
by ソニックマイヅル (2011-11-19 15:43) 

たいちさん

何度も岸田劉生展へ行ってますが、本展はまだ行ってません。作品だけ見て劉生だと分からせるのは、偉大な画家ですね。
by たいちさん (2011-11-19 17:16) 

やま

この切手持ってますよ。
by やま (2011-11-19 22:56) 

lamer

岸田劉生の魂が迫ってきて・・・
息が詰まりそうです。
凄いです。
by lamer (2011-11-20 09:49) 

okko

ほんとに、色使いやタッチがゴッホに似ています。
麗子さん、よく見ると確かに不気味な雰囲気も感じられますね。
by okko (2011-11-20 14:34) 

とらさん

私も一時集めていましたが、全て姪っ子にあげてしまいました。
今は時々郵便局に行った時購入しています。(使う為に)
by とらさん (2011-11-20 17:17) 

pandan

見たことがあります、
名前は知りませんでした。
by pandan (2011-11-21 07:25) 

つなみ

麗子さまは、子供のとき、
教科書でリアルにこわい印象でした(*´∇`*)
by つなみ (2011-11-21 15:02) 

ささ

麗子像、私も教科書で見て、とても怖かったです。今でも怖いなぁ。
あっ、切手は未だに、チマチマと気に入ったのだけ買ってます。
by ささ (2011-11-29 10:14) 

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